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2025年6月17日、Forbes Japanによれば、GoogleのGmailアカウント約20億ユーザーに向けて「今すぐパスワードからパスキーへ切り替えるよう強く推奨」する注意喚起を発信しました。
Googleのプライバシー・安全・セキュリティ担当VPのコツォヴィノス氏は、米国消費者の60%以上が詐欺被害を感じ、そのうち約3分の1が実際にデータ侵害を経験していると警告。
パスワード認証は依然フィッシングや総当たり攻撃に弱いため、より安全なパスキーへの移行が急務と述べています。
筆者使用のGmailは、強固なパスワードと2段階認証の設定をしていましたが、さらにパスキーも設定しました。そこで、本記事ではGmailのパスキーとは何か?設定や解除・削除方法はどうすれば良いか?わかりやすく解説します。
Gmail(Googleアカウント)のパスキーとは?従来のパスワードとの違い
パスキー(Passkey)とは?
パスキーは、FIDO2などの標準に基づいた公開鍵/秘密鍵方式の認証方法です。
端末の生体認証(指紋・顔)やPINでロックされ、パスワードと異なり盗まれても再利用が難しく、フィッシング耐性にも優れています。
パスキーのメリット
- フィッシング耐性:正規サイトでのみ鍵が使われる
- 簡単ログイン:指紋・顔認証・PINで即アクセス
- 複数端末同期:Google Password Manager経由で共有可能
パスキーのデメリット
- 非対応の環境では使えない:古いOS・ブラウザでは使えない。共有PCなどではログインできない場合あり
- 端末依存の認証になりがち:パスキーは端末(スマホやPC)に保存されるため、その端末が壊れる・紛失するとログインに支障が出る可能性がある
- 誤って複数のパスキーを作ると管理が複雑:同じサービスに対して複数のパスキーを作成すると、どれが最新なのか分かりづらくなる
- 複数人でアカウントを使い回す運用に不向き:家族・職場でアカウントを共用している場合、生体認証は各個人に対応しないため不便
パスキーが非対応となる主な条件
Gmailのパスキー設定ができない(対応していない)デバイスや環境はいくつかあります。以下の条件に当てはまると、パスキーの設定や利用ができない場合があります。
端末に生体認証手段がない
スマホやPCに指紋認証や顔認証などの生体認証が搭載されていない、またはそれらの機能が無効になっている場合。
OS・ブラウザが古い・非対応
ブラウザが最新版でなく、Windows10以前や古いmacOSではサポートされていないことがあります。
また、プライベートブラウジングモード(シークレットモード)やJavaScript(※)、Cookie(クッキー)の無効化で使えない場合があります。
※JavaScript(ジャバスクリプト)とは、Webブラウザで動くプログラミング言語のことです。
Googleアカウントに会社・学校の管理制限
Google Workspace(旧G Suite)などの管理者アカウントにより制限されている場合、パスキーの設定が禁止されていることがあります。
パスキーが非対応のデバイス・環境での対処法
Gmailでパスキーが非対応のデバイス・環境での対処法としては、以下のような方法があります。
パスキーを使わずにログインする
パスワード+2段階認証(2FA)
通常のパスワードに加えて、SMSや認証アプリ(Google Authenticatorなど)によるコード入力。
セキュリティキー(FIDO2物理キー)
YubiKeyなどのUSB・NFCキーを使ったログイン(ブラウザやデバイスに依存)
※Yubikeyのイメージ
別の対応デバイスでパスキーを作成・利用
スマホやPCなどの対応デバイスでパスキーを作成し、そのデバイスでQRコードを使ってログイン(非対応デバイスでも可能な場合あり)。
例:非対応のPCなどでGmailログインページにアクセス → QRコードが表示 → スマホで読み込む → スマホの生体認証で承認 → PCにログイン完了
その他の対処法
- Google Workspaceなど管理者制限がある場合は、管理者に問い合わせてパスキー使用を許可してもらう
- 対応ブラウザ・OSにアップデートする
Gmail(Googleアカウント)でのパスキー設定方法
Gmailのパスキーは、以下の手順で設定します。筆者はすでに2段階認証済みでしたが、さらにパスキーも設定できました。
※以下のスクリーションショット(画面の撮影)は、Googleアカウントより。
- Gmailのアプリの場合、右上のプロフィールアイコンを選択
- 「Googleアカウントを管理」を選択
- 上部メニューから「セキュリティ」を探して選択
- 「パスキーとセキュリティキー」を選択
その後、端末の生体認証またはPINで認証します(この画面に関しては、Gmailの仕様でスクリーンショットできませんでした)。
登録完了して、再度Googleアカウントのセキュリティタブを開くと、「ログイン手順を追加しました:パスキー」と表示されます。
パスキーの解除・削除方法
万が一、端末を紛失してしまったなどの場合は、パスキーの解除・削除を検討して下さい。
設定と同様に、Googleアカウント → セキュリティ → パスキーの順にアクセスすると、パスキーの操作をすることができます。
安全のため、筆者はまだパスキーの解除や削除をしたことがありませんので、以下のページも参考にしてください。
▶ パスキー設定を解除する方法 – Google アカウント コミュニティ
注意点とよくある質問
- 複数端末での管理:端末ごとにパスキーが生成されるため、紛失時は個別削除を
- 機種変更時の再登録:新しい端末でも生体認証があれば再設定可能
- 導入の成熟度:一部で「未成熟」「ログイン困難」などの懸念も
ただし、Googleはユーザー混乱を避けるため、丁寧なガイドと柔軟なバックアップを提供しています。
まとめ
- Googleが警告:パスコード時代への切り替えが急務
- パスキーの安全性:フィッシングに強く、ログインも簡単
- 設定方法:アカウント → セキュリティ → パスキーを追加
- 解除・削除:必要なときに簡単に管理・対応可能